常に顧客志向を追い求める、急成長ワイナリー
バレンシアから内陸に60kmの街レケーナに位置するトレ・オリアは、同地域で最も歴史の古いワイナリーのひとつです。オリア・デ・ルエダ家は元々絹織物で事業を起こしましたが、1897年に事業を変更してワイン造りに力を注ぐことを決意し、トレ・オリア・ワイナリーを設立しました。2022年に125周年を迎えた長い歴史の中で、トレ・オリアはさまざまな試練を乗り越えてきました。特に2012年以降は成長が目覚ましく、2022年には売上高2012年比10倍以上を達成するに至りました。まさに今、100年以上の歴史の中で最も成功した瞬間にあると言えます。世界各地でトレ・オリアが愛されている理由は、カバ、ウティエル・レケーナ、バレンシアの3つの原産地呼称で育まれた品質の良いブドウからワインを造っていること、そしてさらに重要なことに「消費者が飲みたいと思うワインを造ること」を常に目標としているからなのです。
また、ペネデス以外の地域でカヴァD.O.の原産地呼称を冠することが許された初めての造り手として、歴史的な価値を持つワイナリーでもあります。以前のカヴァの法律では、ペネデス地域以外の生産者はカヴァの呼称から除外されていましたが、トレ・オリアはその権利を求めて戦い、1989年に見事その権利を勝ち取りました。トレ・オリアのおかげで、今日レケーナでは数百万本のカヴァが生産され、この地域に大きな付加価値をもたらしています。レケーナだけでなく、エストレマドゥーラ、ラ・リオハ、アラゴン等スペインの他の地域もカヴァD.O.に入ることができるようになったという点で、大きな功績を残したワイナリーでもあります。
マカベオへのこだわりと恵まれたテロワール
トレ・オリアではカヴァの生産を始めた初期から、ペネデス地域で主に栽培されるシャレロやパレリャダではなく、レケーナで伝統的に育てられていたマカベオに焦点を当てていました。この決断はトレ・オリアの伝統と遺産を守り、レケーナの価値を高め、マカベオという品種を世界で認められるブドウ品種に飛躍させました。
トレ・オリアの畑は海から60km離れたカスティーリャ高原と地中海の間に位置しています。畑は標高650mから950mの間にあり、主に石灰質土壌で構成され、昼夜の寒暖差が大きいこともブドウの品質にとって非常に重要な要素となっています。トレ・オリアは100haの自社畑を所有していますが、加えて長年に亘って信頼関係を積み上げた契約農家からもブドウを購入しています。契約農家とは常にコミュニケーションを取り、収穫のタイミング等も綿密に話し合われています。
100年以上の歴史ある地下セラーで生まれるカヴァ
トレ・オリアでは現在でも生産するすべてのカヴァにおいて、ティラージュから瓶内二次醗酵、デゴルジュマンに至るまでの工程を、1897年に建てられた歴史ある地下セラーで完結させています。湿度と気温を一定に保ち、直射日光を避けることができる地下セラーは、特に瓶内熟成には理想的な環境です。生産量が多く、お手頃な価格でカヴァを提供するワイナリーにとっては非常に珍しいことで、トレ・オリアが品質志向であることの証とも言えます。