1939年創業。そこから家族経営を続けています。創業当初は伝統的なナチュラルサイダーのみを生産していましたが、意欲的にスパークリングサイダー生産を開始し、スペイン国内のみならず、多くの国にも輸出しています。スペイン国内では百貨店などでも販売される広く知られたシードラ生産者であり、伝統を受け継ぎながらも先進的な技術を積極的に取り入れる、業界を牽引する企業でもあります。創業者で現社長の祖父にあたるマヌエル・ブスト氏はスペインで初めてシードルビネガーの生産を始めたパイオニア的存在であり、彼の精神と伝統がこの製品に息づいています。現在も有機栽培のリンゴのみを使用し無濾過で製造されています。
シードラとは
りんごをつぶし、果汁を醗酵させて造る微発泡のお酒です。
フランス産は『シードル』、スペイン産は『シードラ』と呼ばれます。カンタブリア海沿岸で多く造られ、特にアストリアス産とバスク産が有名です。醗酵させたりんご果汁に炭酸ガスを注入し、糖を加えて状態を安定させてステンレスタンクで保存されます。元々のアルコール度数の低さに、炭酸ガスの爽やかな飲み口と甘みが加わって飲みやすく、女性や若者に人気です。
スペインシードラの注ぎ方と飲み方
シードラはワインと同じくガラスの瓶に入っていますが、実は他のお酒には見られない「特別な注ぎ方」があります。まず、注ぐ際は起立した状態で行います。頭よりも高い位置に瓶を持ち上げて、グラスを持つ手を腰より下に置き、高い場所から勢いよくグラスに注ぐのです。シードラを注ぐ動作をescanciar(エスカンシアール)といいますが、この注ぎ方は大変難しく、現地ではシードラを注ぐプロの方も存在するほどです。また、シードラはグラスの底で泡を立てている時が、最も美味しく飲めるといわれています。泡立ちが消えないうちに一気に飲み干すのが伝統的な飲み方ですが、必ず最後の一口は残して下さい。なぜなら、最後に残した部分はシードラの苦味が残っています。その苦味を捨てるという意味と、残った少量のシードラでグラスをすすぐという意味も含んでおりますので、シードラを飲む際は飲み方にもこだわってみましょう。
スペインシードラは料理に大活躍
シードラは醗酵させたりんご果汁に炭酸ガスを注入し、糖を加えた状態でステンレスタンクに保存されます。料理との相性も大変良く、野菜や肉の煮込み料理、オーブン焼きなど様々なメニューに大活躍です。また、自然の甘みが肉や魚を柔らかな味わいにするため、スペインのご家庭では幅広く愛されています。