カステルロッチでは、コンセプトごとに異なる名前でワインをリリースしています。所有する区画のうち、「特に際立った個性を持つ区画からのワイン」を、家族の名前である「サバテ・イ・コカ」として、「それぞれの区画が持つ個性をブレンドによって調和させたワイン」を「カステルロッチ」として生産しています。サバテ家はビトリェ川渓谷のあたりの数多くの畑の区画に違いがあると考え、何年も小区画を別々に分析して葡萄栽培を行ってきました。テロハ(Terroja=赤い土壌が名前の由来)の畑は20年から100年樹齢の葡萄の樹が植わっています。今現在1.9haのテロハの畑を所有しており、そこでは灌漑せず、有機栽培の認証を得ています。また、チャレッロ単独でワイン造りを始めたパイオニアです。「サバテ・イ・コカ」のラインナップには、DOカバに認定された最上級格付けパラヘ カリフィカードの1つ、単一畑「テロハ」の個性を表現した、家族のワインともいえる「レセルバ・ファミリア」があります。どちらのラインナップも、自社畑のテロワールを知り尽くしたカステルロッチだからこそ表現できる、唯一無二の個性を持ったワインと言えます。
カステルロッチ Castellroig
「ペネデスには、これほどまでに分散したテロワールを意識してワイン造りを行なっている生産者はいません。ほとんどの生産者が、新しい技術を導入すれば良いワインが出来ると思っています。私は、それを否定しませんが、それよりもテロワールを大事にしています。なぜならば、最も自然で、オリジナリティのあるワインが出来るからです。技術によって同じワインにはしたくありません」
カステルロッチでは大変めずらしいことに、自家畑の葡萄のみを使ってカヴァを造っています。ペネデスにカヴァの生産者が200社余りありますが、自家畑の葡萄だけで造っているのは30社に過ぎません。
テロワールにとことんこだわっており、醸造はテロワールと品種で分け、60種類のタンクがあり、これをブレンドして、カヴァを造っています。これほどまでにテロワールを分散した造りをしている生産者はペネデスにはいません。
葡萄は地葡萄にこだわり、シャルドネなどは使っていません。作業の多くが手作業で、この地区では珍しいグリーンハーベスト、葉を落とす作業、草を取る作業(樹齢7年目まで)そして収穫を人の手で行っています。セラーは地下13mにあり、冬は12度、夏でも15度で、瓶内二次発酵には最適の温度となっています。珍しいことに、年に1回ボトルを専用の機械を使ってシェイクします。澱を撹拌することで、細かく小さな泡が出来、クリーミーな泡を与えることが出来ます。オーダーが入ってから、デゴルジェマン(澱を除去する)をしてドサージュ(甘み調節)を行います。出荷前にすることで、フレッシュな風味が残ります。
従業員は7名で、期間労働者を含めると12人が畑で働いています。ボトリング担当者にも畑での作業を見てもらう、畑担当者にもボトリングを見てもらうという風にして、全体のプロセスを理解してもらっています。