フェアヴューのオーナーチャールズ・バック氏が1997年に設立した比較的新しいワイナリーです。彼は相続したステレンボッシュの畑には無いワインを生み出すため新たなるチャレンジに挑んだのです。地中海性気候を表現する豊かなワインを目指して、新たにケープ西部の新興ワイン産地のスワートランドのマームズベリに140haの農園を購入しました。栽培するブドウ品種は区画により厳選し、乾燥した気候の下で灌漑を行うことなく極限まで収量を落とし高い品質を求めました。そして、これまでケープには無い、複雑で風味豊かなローヌ品種の栽培に成功したのです。栽培する葡萄は、シラーズ、ムールヴェードル、グルナッシュ、バルベーラ、タナ、サンジョヴェーゼ、ジンファンデル、テンプラニーリョ、カリニャン、ヴィオニエ、ピノタージュ、メルロ、シュナン・ブランなど多岐にわたります。醸造設備は、ステレンボッシュに彼が持つ大規模なものとは異なり、小さな施設で目の行き届く環境で少量生産にこだわったプレミアムワインを生み出しています。
チーフ醸造家のシャール・ドゥ・プシ氏はエルセンバーグ農業大学の葡萄栽培・ワイン醸造工業学科卒業後、1992年よりパールの名門ボーランド・セラーでアシスタント醸造家、チーフ醸造家を経て、ブルゴーニュなどでも経験を積み、1997年よりスパイス・ルートのチーフ醸造家に就任しています。オーナーのチャールズ氏は彼についてこう語ります。「ワインへの強い情熱を持つ者、信じられないほどきめ細やかに細部まで注意をはらう者。才能ある醸造家というものは大抵どちらかは持っているが、両方を持ち合わせているものは稀だ。」この信頼関係があってこそ素晴らしいワインが誕生するのです。