スピオンコップ Spioenkop
スピオンコップは、南アフリカ・エルギン地区、エルギンヴァレーの麓に位置するカルト的人気のワイナリーです。オーナー兼醸造家のクン・ルースは、母国ベルギーでエンジニアとして活躍したのち、ソムリエへ転身。ワインのトレーダーとして南アフリカワインを欧州で販売していた縁で、南アフリカ人醸造家フランソワ・ノード (L’Avenirを有名にした偉大な醸造家、ピノタージュの名手)に出会います。彼の勧めでワイン造りの道へ。 トレーダーの仕事を友人に任せて南アフリカに渡り、ラヴェニール(L’Avenir)とTokara(トカラ)で研鑽を積みます。ブルゴーニュのワイナリーでも経験を積み、2005年に自身のワイナリーをエルギンに設立。設立から5年を経て、2010年に初ヴィンテージをリリースしました。当初は、エルギンの冷涼な気候と土壌に合ったソーヴィニヨンブランやピノ・ノワールを植えていましたが、当時、エルギンの常識では考えられなかったシュナンブランとピノタージュを植樹したことで大きな話題に。「変わり者のクン」と呼ばれる彼だが、類まれな才能と情熱を世界屈指のテロワールであるエルギンに注ぎ、造り上げるワインは短時間で世界レベルに達している。また、南アフリカのワイナリーを早くから高く評価している英国人MWでワインジャーナリストのティム・アトキンも、このスピオンコップによく訪れている。 クンはブルゴーニュ時代に学んだ「母なる大地は尊ばれるべきである(Mother Nature needs to be respected.)」という言葉に忠実に、ぶどう畑こそがすべてであり、育った果実を素直にワインに仕上げることをワイン造りのモットーにしています。彼のワイン造りは、彼の師であり英雄であるフランソワ・ノードと、マイルズ・ モソップ(L’Avenir、Tokaraの元醸造責任者)の下で学んだワイン造りが基盤となっています。
畑の広さは全体で46ヘクタールであるものの、ブドウが造られる区画は日当たりや水はけを考え、わずか12ヘクタールにとどめています。標高300メートルの斜面に畑が広がり、有機栽培で育てられ、収穫は全て手摘み。
「スピオンコップ」という名前は、南アフリカが植民地時代に英国人とオランダ系アフリカーナーとの間で起こったボーア戦争の戦に由来しています。スピオンコップの戦いは、1900年にクワズルナタル州で勃発しました。