西ケーブ州の南部に位置するウォーカー・ベイ地区のアッパー=へメル=エンエアードーヴァレー(小地区)は、州の中で最も冷涼な海岸沿いのワイン産地です。海岸からわずか2~8kmしか離れていない場所にあるニュートン・ジョンソン・ヴィンヤーズの畑からは広大な海を見渡すことができ、ミネラル分の多いぶどうが収穫され、複雑な味わいを持ったワインとなります。
夏には海から南風が吹き、海からの霧が定期的にぶどう畑を覆い、他の地区とは異なった涼しいメソ気候が生まれます。100~300mの海抜にある畑近郊の平均気温20℃以下、年間降水量は750mmと南アフリカのワイン産地の中では、気温は低く雨量はやや多めです。このようなテロワールを持つ畑にピノ・ノワール、シラーズ、シャルドネを栽培し、プレミアムワインに特化した生産を行っています。畑で気をつけていることはバランスのよい生長、そしてきちんとした成熟度に達したぶどうを収穫することです。土壌がワインの味わいに与る影響は明らかで、花崗岩の岩盤に細かな石英と粘土質が混ざった表土が覆っています。この土壌が繊細なワイン、香りのよいワイン、そして骨格のしっかりしたワインなど、バラエティーに富んだワインの要因になっています。
ニュートン・ジョンソン・ヴィンヤーズのワイン造りの姿勢は、なるべく手を入れずにぶどう栽培からワイン造りまでを行うことです。ワイナリーは地下に続き、グラヴィティー・システムを導入し、パンチングダウンも人の手によって行い、機械やポンプの使用をなるべく回避する方法を取り、発酵時には培養酵母の添加は行っていません。化学物質は使わず、常に自然の醸造にこだわっています。
ニュートン・ジョンソン・ワインズは南アフリカ最大のワイン会社ステレンボッシュ・ファーマーズ・ワイナリーで輸出を担当していたデイヴ・ジョンソン氏が設立したワイナリーです。当初はネゴシアン・ビジネスに専念していたジョンソン氏ですが、『トップレベルの品質でリーズナブルな価格のワインをつくりたい』との思いを募らせていました。そして遂に1996年にはエステイトを入手しました。
現在ワイナリーの運営は、オーナーのジョンソン氏とその二人の息子によって行われています。醸造を担当する弟のゴードン氏はワイン造りに対してはひたすら真面目でとことんまで追求する姿勢をもちます。
また兄のビーヴァン氏はマーケティングを担当し、国内外にその魅力を伝えています。