南アフリカを牽引する生産者のひとりであるバデンホーストのアディ氏の下で、日本人として初めてワイン造りを行った生産者、佐藤圭史氏の造るスペシャル・キュヴェです。彼は大学時代に学生生活を送っていたアメリカ合衆国のオレゴンでワインに出会い、たちまちその味わいとワイン造りの奥深さに魅了されました。一旦は会社勤めをしたものの、20代後半の時に一念発起をし、飲食の世界に転身。東京・渋谷に自身のアイデンティティである「オレゴンワイン」に特化したワインバーを開店し、以来彼は、ワインにまつわる様々な翻訳やコンサルタント業などで活躍しながら、世界各地の銘醸地を巡り、ワイン造りの夢を大切に抱き続けていました。そんなある日、南アフリカから来日中だったクラヴァン・ワインズのワインを飲み、頭を殴られたような衝撃を受けたのです。彼はすぐに憑りつかれたように南アフリカでのワイン造りの術を模索し、気づいた時にはケープタウンを訪問していました。そこで後の師匠となるスワートランドのバデンホーストのアディと出会い、意気投合します。アディのボタニカル農園とブドウ畑、そしてワイナリーはまさに佐藤氏が思い描いていた通りの、自然あふれるワイン造りの大地そのものだったのです。以来彼は毎年南アフリカと日本を行き来しながらバデンホーストの下で収穫や醸造のアシスタントとしてサポート役を務めながら、ワイナリーの卓越した栽培、醸造技術を肌で感じ、アディの独創的な哲学を吸収していきました。そして遂に2017年、念願の自身の名を冠したキュヴェが生まれたのです。
キュヴェ名は、彼の留学時代の愛称「Cage」に、彼のワイン造りの哲学である「ワインはその土地や人々、そして大地からの恵みを表現した一杯であるべき」という思いに沿い、南アフリカで出会った人々やその大地への感謝を込め、C for「Cape」 A for「Adi」 G for「Greeting」 E for「Earth」「Cage」と名付けられました。
スワートランド地区にある28ヘクタールの小さなワイナリー。灌漑設備を使わず、ほとんどが自然なブッシュヴァイン方式(株仕立て)で栽培しています。1950年~1960年代に植えられた 古い樹齢の為、自然に収穫量は減り、凝縮感のある果実味豊かなブドウが出来ます。オーナー兼醸造家のアディは、フランス、ニュージーランド、南アフリカの幾つかの有名なワイナリーで修業し、2006年からバデンホーストの名前でワインを造っています。出来る限り自然なままで、古典的な製法で、個性豊かなワインは既に高く評価され、カルト的な存在になっています。高級レンジとセカンドレンジ(セカチュア・シリーズ)の2つのレンジを持っており、どの生産者もワインを綺麗に作る傾向の中で、古典的で個性豊かなオンリーワンなワインを造る偉才なオーナーのワイナリーです。