ブドゥレアスカのブドウ畑は海抜175m~400mに位置し合計280ha。ルーマニア南部にあるムンテニア地方のデアル・マーレの丘陵地の真ん中に位置し、ボルドーやブルゴーニュと同じ緯度軸にあります。2004年創立。ワイナリーとしての歴史は浅いが、同地でのブドウ栽培は紀元前にも及ぶ長い歴史があります。ブドウの木の成長が始まる4月から平均2,000時間の日照時間、黒土層と石灰岩の多い土壌のため、ルーマニア国内でもなかなか再現できない栽培条件になっています。このように高品質なワインのポテンシャルを秘めたブドゥレアスカのワインの品質を更に高めたのは、イギリス人醸造家のスティーヴン・ドネリー氏の存在です。アメリカナパ・ヴァレーで就業したのち、イギリスやハンガリーをはじめ世界各国で30年以上のキャリアを誇り、ルーマニアの伝統と最新ワイン技術を絶妙に融合させています。
ホメーロスのデチェバル王
デアル・マーレ産地のワイン造り歴史はダキア時代(3000年前)まで遡ります。古代ギリシャのホメーロスの作品の中にダキアワインの話が良く出ており、ホメーロスによると「ギリシャの戦士たちはワインを求め、ダキアを侵略した。」ダキアのデチェバル王は他国からの襲来を防ぐために葡萄畑の一部を伐採したというエピソードも有名です。ブドゥレアスカ社はこの産地の歴史と伝統を引き継ぎ、デチェバル王をワイナリーのシンボルにし、ルーマニアワインの真を世界に伝えようとしています。