ヴィーニョ・ヴェルデとは
ヴィーニョ・ヴェルデは、ポルトガル北部のミーニョ地方で造られる微発泡ワイン。ポルトガルのワイン法での厳しい条件をクリアした場合に「D.O.P.ヴィーニョ・ヴェルデ」と表記することができます。使われるブドウ品種はアルバリーニョの他、ローレイロ、アリン、アザール、トラジャドゥーラなど、認可されている品種は45種類もあります。そのほとんどはポルトガルならではの土着品種で、数種類ブレンドしてワインを造ることが多いです。
緑のワイン
ポルトガル語で「ヴィーニョ(Vinho)」は「ワイン」、「ヴェルデ(Verde)」は「緑の」、直訳すると「緑のワイン」という意味を持ちます。ただ、ロゼワインやオレンジワインのようにワインの色味から名付けられたわけではなく、この「緑」は「完熟前のぶどうを使う=若い」というニュアンスで使われています。完熟前のブドウ(緑のブドウ)を用るため、発酵途中で発生する気泡がワインに残りやすく、弱発泡でアルコール度数の低いフレッシュな味わいのワインに仕上がるのが大きな特徴です。
キンタス・ド・オーメン Quintas do Homem
家族経営のワイナリーが造る伝承とモダンが融合したエレガントスタイルのヴィーニョ・ヴェルデ
キンタス・ド・オーメンは、1985年に設立された家族経営のワイナリーです。ポルトガル第三の都市、ブラガに位置しています。元々は野菜農業をしており、地元の農家を束ねてポルトなどのスーパーへ卸売りをしていました。現在は2代目オーナーが畑を管理し、ワイン造りは女性醸造家のアナ・コウチーニョ氏が担当しています。畑はキンタ・ダ・ヴェイガ(Quinta da Veiga)とキンタ・ド・パコ(Quinta do Paco)の二つがあり、どちらもミーニョ地方の中心に位置しています。ワイナリーはキンタ・ダ・ヴェイガに650㎡の敷地を持ち、2011年には最新技術導入のために醸造設備が一新されました。IOBC(the International Organization for Biological Integration)に準じたサステナビリティ農法を採用。伝統を継承しつつ最新技術を融合し、高品質でフレッシュなヴィーニョ・ヴェルデを造っています。
ブランド名のヴァレ・ド・オーメン(オーメン渓谷)はワイナリーの生誕地である、オーメン渓谷の土地への賛辞を込めて名付けられました。この渓谷はペネダ=ジェレッス国立公園の中にあります。自然に恵まれたこの土地は昔から穀倉地帯として人々に多くの恵みをもたらしてきました。自然から与えられた恩恵は、その土地にやがては還元していくことが、その土地に住む人々の使命であるという考えが根付いています。
ミーニョ地方では、彼らの1年間の働きを象徴するものとして穀物貯蔵庫が多くの場所で見られます。ヴァレ・ド・オーメンのワイナリーにもその穀物貯蔵庫があります。
印象的なラベルは、遠くから見ると、中心にクロスが浮かび上がるモダンなデザインを採用。穀物貯蔵庫の屋根に付けられている、クロスがモチーフになっており、彼らの文化遺産とこの土地の民族史的重要性を表現する最も象徴的な要素としてラベルデザインに取り入れられています。