どぶろく風味というだけあってどぶろく程に濁った「にごり酒」です。
白濁した液体はまるで牛乳のような色合いです。
そして驚くことに瓶の中でまだ醗酵途中です。だから発泡しています♪
そのピリピリ感がこれまた堪らなく旨い!
静に開栓するとプシューと炭酸が抜けます。
一度炭酸を抜いてから再び栓をして沈殿物をゆっくり混ぜ合わせると
泡立ちが湧き上がりビン全体に泡が広がります。
グラスに注ぐ時に、ドロドロした液体であることが分かります。
口の中にピチピチの泡が飛び込み、まるで泡の酒!
口に含んだときは辛口に感じますが、米麹の甘味が広がります。
清酒なら甘口の部類に分類されるのでしょうが、
にごり酒なら間違いなく辛口の部類でしょう。
甘くてまったりのにごり酒にはよくお目にかかりますが、
これほどの辛口タイプのにごり酒はあまり無いと思います。
とにかくピチピチした泡が強烈なインパクトを与えて
口当たりを優しくして、飲み易い印象を与えてくれます。
ところがアルコール度数が想像以上に高いから注意!
飲みすぎちゃってヘベレケにならないように…
瓶のラベル表示には19度以上20度未満と表示されています。
杣酒とは
昔から山仕事に務める男たちが愛したお酒です。
間伐や伐採などの力仕事に疲れた体と心に沁み込む旨さ!
素朴などぶろく風味の生酒が杣酒なのです。
「どぶろく」と「にごり酒」
「どぶろく」と「にごり酒」は似たようなイメージですが別物です。
日本では酒税法という法律があり、お酒の製造は税務署の許可が必要です。
酒税法では「どぶろく」のことを「濁酒」と言い
「清酒」とは別のお酒になります。
その結果「清酒」の製造許可が有っても「濁酒」は製造できません。
「どぶろく」は濁酒で、「にごり酒」は清酒に分類されます。
造り酒屋では「どぶろく」は生産出来ませんが、
「にごり酒」なら造れるのです。
では、「濁酒」と「清酒」の違いを一言で言うと「漉している」か
「漉していない」かの違いになります。(濾過するかしないかの違いです。)
日本酒の造り酒屋には「濁酒」の免許がないため、
必ずモロミを漉してから出荷し「清酒」として販売しなくてはいけないのです。
この「杣酒」は限りなくどぶろくに近づけるため
モロミを粗い目のザルにて漉して造られます。
ネーミングも「どぶろく」とは名乗れないので、「どぶろく風味」とされています。
しかし限りなく「どぶろく」に近いのは事実です