濃厚で柔らかい、衝撃のおいしさ・ファルネーゼがバックアップ
ヴルトゥーレの農協が破産。農家は葡萄を造り続けていましたが、誰も葡萄を買わないので、ファルネーゼが農協に出資することにしました。広大な畑がありますが、そのうち170haを選んでヴィニエティ・デル・ヴルトゥーレを造っています。畑は火山灰土壌で、標高500m以上の高い所にあり、冷涼です。アリアニコは晩熟ですが、成長過程では涼しい気候を好むため、適しています。ワイナリー自体も標高600mにあります。グリーンハーヴェストしています。平均樹齢60年で、中には80年のものもあります。樹が古いので、収穫量はあまり多くありません。晩熟なアリアニコの収穫は11月で、機械を使わず手摘みです。朝の気温は8℃位で、標高900mの場所では、雪が降ることもあります。有名になってきて、葡萄を売りに来るようになりましたが、良い農家とは契約して、農協より高い価格で買い取っています。エノロゴのデニス・ヴェルディッキアは、アブルッツオ出身。2年間アルゼンチンで修行し、アルベルト・アンオトニーニに出合ったのが、参加のきっかけです。ここに来るまでは、アリアニコの醸造をしたことはありませんでしたが、皮の薄さと実際に食べてみて、ピノ・ノワールと同じようにやってみようと思いました。ニュージーランドにいた時に学んだピノ・ノワールの醸造についての知識と経験が役立っています。例えば、皮が薄いためポンプを使うと攻撃的なタンニンが出てしまうので、ピノ・ノワールと同じようにポンプを使わないといった具合です。デニスは、「バジリカータは素晴らしいエリア。アリアニコは非常にポテンシャルの高い葡萄。根が地中深くまで這う品種で、ネッビオーロのような力強さがあり、非常に長く熟成出来る。この農協には十分な広さの畑があり、樹齢の古い樹も多い。やりたいことが何でも出来る。是非畑を見てほしい。」と語っています。
アブルッツォ州に本拠を構えるファルネーゼですが、その展開は南イタリア中心に進められています。今回の「ヴィニエティ・デル・ヴルトゥーレ」は、バジリカータ州ですが、すでに、カンパーニャ州には「ヴェゼーヴォ」があり、プーリア州には「フェウディ・ディ・サン・マルツィアーノ」があります。アリアニコ種はイタリアの地ブドウで、カンパーニャ州とバジリカータ州にて生産されています。色の濃いスパイシーで力強いワインが造られます。カンパーニャ州のDOCGワイン「タウラジ」が有名です。