ワイン産地スヴェレートで生まれる偉大なワイン

ヴィルジリオとリータ夫妻が、2人の夢だった農業をしながらのセカンドライフのために、ワイン産地としては無名だったスヴェレートの地に畑を購入したのは1984年のことです。当初は週末に畑仕事をし、平日は都会で過ごす日々ですが、ある日、ヴィルジリオが造るワインが常識を超えて素晴らしいことに気づきます。1988年にカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロを植え、世界レべルのワイン造りを目指し、1992年に初めてのワインをリリースするや、その高い品質によって一躍有名になりました。1997年のレディガッフィがワイン・スペクテーターで100点を獲得し、さらに2000年、レディガッフィはワイン・アドヴォケイトで100点を獲得。２大評価誌で満点を獲得する快挙を成し遂げ、世界的な称賛を得ます。しかしながら、この家族経営の小さな醸造所は評価誌に左右されず、妥協を許すことなく、果て無きワインへの追求・挑戦を続けています。 それが、今日のトゥア・リータの飛躍を支え、更なる品質改善を支えているのです。当初のコンサルタントはルカ・ダットーマでしたが、やがて多忙を極めたルカ・ダットーマとは1998年に契約を解消し、今のコンサルタントはステファノ・キオッチョリ。彼は、情熱を持って畑仕事に取り組む、トゥア・リータの人々に心底ほれ込んでいると言います。

トゥア・リータの畑の土壌は、世界的に見ても類の無いものです。炭酸カルシウム、ホウ素、マグネシウム、マンガン、鉄分などを豊富に含み、ワインに複雑さを与えてくれます。これはスヴェレートという地区の中でもトゥア・リータの畑だけに見られる条件であり、隣接するワイナリーにもありません。また トゥア・リータの畑の中でも、この特殊な土壌はその一部に限られています。その区画のすぐ隣の区画といえども、全く土質が異なるため、そこからは偉大なワインはできません。この特別な土壌と、スヴェレートならではの安定した穏やかな気候、そしてなんといっても、妥協のない畑仕事が、トゥア・リータのワインを特別なものにしています。畑仕事一徹、畑仕事が趣味で、朝8時から畑に出かけ、日が暮れるまで畑にいたというヴィルジリオ。残念ながら2010年9月にこの世を去り、今は、娘婿のステファノ・フラスコッラが、栽培・醸造の中心的な役割を果たしています。ワイナリー創業以前から、ヴィルジリオとリータ夫妻とは家族ぐるみの付き合いで、ずっとヴィルジリオの情熱を支えてきました。これからも変わることなく、トゥア・リータの素晴らしいワイン造りを継続していってくれるに違いありません。