シャトー ヴァルテリーはモルドバの首都キシナウから北に44km離れたオルヘイに位置するワイナリーです。「ヴァルテリー」はオルヘイの町の名前に由来しており、ハンガリー語で「要塞のある場所」と言う意味があります。設立は1996年ですが、「シャトー ヴァルテリー」としてスタートしたのは2004年です。現在、合計520haの自家畑を所有しており、すべてのワインを自家畑の葡萄で造っています。品質を重視したワイン造りのおかげで、短い間に急成長を遂げ、「デカンター ワールド ワイン アワード」、「ムンドゥス ヴィニ」、「モンディアル ド ブリュッセル」など国際的なコンクールで数多くの賞を受賞しています。
醸造はワインメーカーのヴァレンティン ヴランセアヌを中心とするチームによって行われています。ヴァレンティンは大学で醸造学を学び、ワインメーカーとして経験を積んだ後、シャトー ヴァルテリーのチーフ ワインメーカーを務めています。彼にとってワイン造りは単なる仕事以上のもので、ワイン造りは芸術であり科学だと考えています。忍耐力、革新性、テロワールへの深い理解が欠かせません。彼の哲学は、自然を尊重し、伝統を重んじる一方で技術革新にオープンであることです。ヴァレンティンの監督の下、伝統と現代技術を融合させつつ、ワイン造りが行われています。
また、シャトー ヴァルテリーは、サステナブルな栽培への取り組みにも重点を置いています。再生可能な資源の利用を推進し、生態系への影響を減らす努力を行っています。環境保護に力を注ぐことで、モルドバのワイン造りの持続可能な未来を確かなものにしています。
モルドバワイン
世界最古のワイン産地「モルドバ共和国」で、生産されているモルドバワイン。モルドバは黒海を西にしたウクライナとルーマニアの中間に位置する小国で、国土面積は九州より少し小さい程度です。フランスのブルゴーニュ地方とほぼ同緯度(北緯46~48度)で、大半がなだらかな丘陵地帯。昼夜の気温差が激しく年間降水量が少ないため、ぶどう栽培に最適な環境と言われています。また、化学肥料の不要な肥沃な黒土の自然土壌に恵まれている点も、モルドバのワイン作りを活性化させた重要なポイントでしょう。モルドバの年間ワイン生産量は約2億リットルで世界ランキング19位(2018年時点)。1位イタリアの48億リットルには遠く及ばないものの、小国ながら年々着実にワイン産業が活性化しています。商業生産だけでなく、モルドバでは一般家庭でもワイン造りが盛んです。
モルドバワインの特徴
モルドバワインは、基本的にシンプルでクセがなくやさしい味わいが特徴。白ワインはフルーティーかつすっきりとしたほどよい酸味、赤ワインはタンニンがやわらかく軽やかな口当たりのものが多いです。
土着品種について
モルドバで栽培されているぶどうのうち7割はヨーロッパ品種ですが、モルドバの自然環境に適合して生まれた土着品種もちゃんと残っています。モルドバの土着品種は、ぶどうの特徴を女性に例えて名付けられているものが多いです。