地元の人々の呼び名がワイングート名の由来
2002年、パウルとブルーノ・シュミット兄弟が別々に営んでいたワイングートが合併し、現在のトロッケネ・シュミッツが誕生しました。トロッケネ・シュミッツのポリシーはその名前が示すとおり「辛口」を造ることです。(トロッケネ・シュミッツは「辛口のシュミッツ」という意味)。名前の由来ですが、ワイングートのあるランダースアッカー村にはシュミッツと名がつくワイングートが数軒あり、辛口ワインで知られるこちらのワイングートのことを指す際に、地元の人々が他と区別するために「トロッケネ・シュミッツ(辛口のシュミッツ)」と呼ぶようになり、この通称が現在のワイングートの名前になりました。
曾祖父の時代から今日までずっと、醸造の際に補糖は一切せず、糖分がすべてアルコールに変わるまで発酵させ、しっかりとした辛口のワインを造り続けています。ドイツワインの規定では、辛口の残糖は9g/L以下となっていますが、トロッケネ・シュミッツのワインの残留糖度は、ほとんどのアイテムがゼロから2g/L以下です。醸造は天然酵母で偶発的に醗酵をスタートさせ、Q.b.A.クラスのワインも糖分の添加(補糖)は一切行わず、人為的に醗酵を途中で止めることもしない自然な造りをしています。葡萄の持つ糖分がすべてアルコールに変わるまで醗酵させ、完全に辛口ワインにしています。そうすることで、それぞれの品種や畑、ヴィンテージの特徴が明確に映し出されると考えています。彼らのワインは、ストレートで個性豊かでありながら、心地よい味わいを持っています。
トロッケネ・シュミッツは、代表的な3つのドイツワイン評価本「ヴィヌム2022」3.5星(最高5つ星)、「ゴーミヨ・ドイツワインガイド2021」で3房(最高5房)、「アイヒェルマン2021」で3星(最高5つ星)の評価を得ています。1920年代にワイン造りに注力するようになってから今日まで、頑固に辛口ワインの生産を続けており、所有畑の優位性はもちろん、残留糖度を限りなく抑えた造りは、現代に合ったスタイルで、今後の躍進が期待される注目の生産者のひとりです。