ワイナリーの歴史は19世紀に遡り、皇帝の兄弟であるミハイル・ロマノフにより、ワイナリーの建設を命ぜられたことから始まります。1880年代にはボルドーから醸造家が招かれ、ジョージアのブドウ品種とヨーロッパのワイン造りのテクニックを組み合わせる実験を始めました。また、ジョージアでフランス品種のブドウ栽培もスタート。1893年にはカベルネソーヴィニヨンから造ったワインを当時の皇帝に献上。大いに賞賛されジョージアで確固たる地位を築くこととなりました。現在は、ジョージアの伝統的な手法とヨーロッパの手法の両方に従って、古代のブドウ品種から造られたワインを提供しています。
クヴェヴリとは?
醗酵と醸し、熟成に使用されるクヴェヴリは、ジョージアの土を使いクヴェヴリ職人が窯で焼き上げた素焼きの壺です。古くは各地方にクヴェヴリを造る窯元がありましたが、時代の変化とともにその数は減り、現在では10社程に減ってしまいました。全てが手作業で製作される事から時間と熟練の技術、経験が必要な職業です。窯元では職人がジョージアで採掘された粘土を練り、高さ10cm程の帯状の塊を作り、下から順に積み上げるように重ねては休ませ、乾燥させ、また積み上げる、という地道な作業を数週間かけて行い、大きな卵を逆さにしたような形状の壺を製作します。季節や湿度にもよりますが、完成した壺が高温で割れないように、1週間近く乾燥させ、数日から1週間かけて大きな窯で900~1200度の高温で焼き上げます。焼きあがったクヴェヴリは割れないようにゆっくりと冷まされ、内部には蜜蝋をコーティングして密度を上げることでワインの流失を防ぎます。更に側には強度を高めるために石灰やセメントが塗られます。ワインの蔵元によっては蜜蝋を好まない事から、あえて素焼きの物を購入する蔵もあります。クヴェヴリのサイズは様々で、小さいものから人が中に十分入れる程の大きなものまで一般的に使われます。サイズにすると数百リットルから数トン程で、現在ではその顧客はジョージア国内に留まらず、ヨーロッパ各国、更には日本へも輸出されています。