南アフリカのスパークリングワイン
1659年2月2日、南アフリカ最初のワインが造られました。今から350年以上も前の事です。南北アメリカ大陸やオーストラリアより古い歴史をもっています。西ケープ州のケープタウン周辺はヨーロッパの気候に近くブドウの栽培に適した気候に恵まれ、複雑なテロワールを備え、素晴らしいワインが生産されています。特に1994年アパルトヘイトが終焉してから、南アフリカワインは目覚ましい発展を遂げています。その中でも特に高い評価を得ているのがスパークリングワインです。シャンパーニュを意識したシャルドネやピノ・ノワールから生まれる瓶内二次発酵から生まれるワインは世界中から高い評価を得ています。南アフリカで最も栽培されているシュナン・ブラン種から生まれるスパークリングワイン、固有品種ピノタージュをブレンドした個性的な1本、ソーヴィニヨン・ブランを使った爽やかなタイプなど様々なスパークリングワインが生産されています。
瓶内二次発酵で造られたスパークリングワインが『キャップクラシック』
南アフリカでは瓶内二次発酵で造られたスパークリングワインの事を『キャップクラッシック』と言います。瓶内二次発酵はシャンパーニュ方式とも言い、フランスのシャンパーニュ地方で用いられているスパークリングワインの製法で、他にもフランスの『クレマン』スペインの『カヴァ』イタリアの『フランチャコルタ』など高品質なスパークリングワインは同様の製法で造られます。瓶内二次発酵は一度発酵ににより造られたベースとなるスティルワインを瓶に詰め、糖分と酵母を加えて瓶の中で二次発酵を行い、それによって生まれた炭酸ガスを瓶内に閉じ込めて造られます。南アフリカでは1971年に最初の瓶内二次発酵のワインが造られ、1992年にキャップ・クラシック・プロデューサーズ協会が発足し、正式に『キャップ・クラシック』と呼ばれるようになりました。アルファベット表記した「Method Cap Classique」の、頭文字をとってMCCと略称されることもあります。キャップクラシックを名乗るには最低瓶内熟成期間は9ヶ月以上(2021年ヴィンテージから12ヶ月に変更)とキャップ・クラシックの規定はシャンパーニュと同様に厳しい内容となっています。西ケープ州の気候は良質なスパークリングワインに欠かせない、豊富で良質な酸をブドウに与えて、シャンパーニュに劣らない素晴らしいキャップクラシックが生まれるのです。
日本で入手できる南アフリカ産スパークリングワインの種類は、シャンパーニュやカヴァと比べると非常に少ないのが現状ですが、南アフリカワインエキスパート、シニアソムリエ麦島が厳選した6本の南アフリカ産スパークリングワインです。その品質の素晴らしさに驚いて頂けることと確信しています。