アイスワインとは、凍った完熟葡萄から造られる非常に糖度の高い甘口ワインです。1794年冬、ドイツのフランコニアは予想外の霜に見舞われ、放置されて凍ってしまった熟した葡萄の処分に困りました。ところがその葡萄からワインを造ったところ、甘みの強い、芳醇な香りのワインになったのです。偶然の産物、これがアイスワインの始まりです。
主な生産国のワイン法では、アイスワイン用のブドウを収穫する際の気温は-7℃を下回るべき旨を定めています。この温度ではブドウ果実に含まれる水分は凍結するが、氷晶の成長と共に糖やその他の溶質が未凍結の部分に追い込まれ成分が濃縮されるのです。こうして凍結したブドウから搾汁すると濃縮された果汁が得られ、高糖度の環境に適応した特殊な酵母による長時間の発酵を経てアイスワインができるのです。
アイスワインは非常に甘いながらも酸味との均整に秀でていますが、その製造に向けられるブドウの収穫量が非常に少なく、また製造量や可否が気候条件に依る部分が大きく、従って一般に高価なものとなってしまいます。