シャトーは、フロンサックの西、ヴェラック村に位置しています。1941年から続く家族経営の生産者です。現在、4代目のエルヴェ・リュイエがシャトーを引き継ぎ、ワイン造りを行っています。1990年より全面的な改革を行い、葡萄の栽培方法も一新しました。また数年間をかけてセラーに投資を行い、最新設備を整え、現代的なワイナリーへと生まれ変わりました。近年では、ボルドー・シュペリュールのトップのひとつに位置付けられ、安定した品質の高さが評価されています。ワインの特徴は「フィネスとエレガンス」であり、豊かなアロマと力強いタンニンが素晴らしく調和しています。
所有する畑は30ha。フロンサックの丘の上に広がっており、石灰岩を多く含む粘土石灰質土壌です。南向きでたいへん日当たりが良く、非常に集約のある葡萄が出来ます。栽培する品種は90%がメルロ、残りがカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、マルベックです。栽培には自然環境を尊重し、リュット・レゾネを採用しています。化学肥料は使用せず、羊の糞を堆肥として使っています。また、畝と畝の間に草を生やし、健全な生態系が保たれるようにしています。畑で選別をしながら収穫した葡萄は、セラーに運び、選果テーブルで厳しく選別します。さらに、光学式選別機を使い葡萄を選別します。醸造は葡萄の個性、特徴を失わないよう、品種ごと、区画ごとに醸造します。
醸造コンサルタント:オリヴィエ・ドーガ氏
現在の醸造コンサルタントとしてボルドーでステファン・デュルノンクールの対抗馬として注目されているオリヴィエ・ドーガ氏を招聘!日本では未だなじみが薄いですが、右岸のガレージワインがデュルノンクール氏であれば、左岸はガレージワインはドーガ氏!まさに東西の横綱のような勢力図です。
1964年にボルドー近くのリブルヌに生まれ、ラグビー選手として活躍。チームの会長の縁で、シャトー・ソシアンド・マレで葡萄の扱いからワイン造りなどを学びました。瞬く間に才覚を発揮し、1988~92年は同シャトーで技術部長、1992~99年にシャトー・ラ・トゥール・カルネで総支配人、1999~2000年にシャトー・ラ・トゥール・デュ・ビィで技術部長を経て、2000年にコンサルティング会社ル・フェジュール・ド・ヴァンを設立。現在は30を越えるボルドーのクライアントをはじめ、南仏ラングドックやウクライナなどにも活躍の場を広げています。「私は、生産者の表現を助けるためにあり、ワインは、ワインを飲む人のためにある。」と語るドーガ氏はビオトープを重視し、“ドーガスタイル”にはめ込むのではなく、畑の自然な状態と個性を重んじたワイン造りを理想としています。また、時にはパッケージやマーケティングなどのアドバイスを求められるなど、多彩な能力を発揮しています。