完熟ブドウしか使わない力強く、凝縮感がありながらも早くから飲めるワインを目指す
1級でも特級でもないが、それに負けない凄いワインが目標
AOCマルサネはブルゴーニュのコート・ド・ニュイの他のアペラシオンのようにメジャーではありません。(例えばヴォーヌ・ロマネやジュブレシャンベルタンのように) しかし、このドメーヌは、現当主クリストフ氏となり、フランス国内外で注目を集めるようになりました。彼で3代目となりますが、20年前から父と仕事をし、8年前に完全に引き継いだのです。
クリストフ氏は「良いブドウが出来てはじめて良いワインが出来る、逆に良いブドウが出来なかったらその時点でスタートラインが下がってしまう。」と考えています。「完熟したブドウしか使わない」という信念の下、ブドウが完熟する為の努力やリスクを惜しみません。畑やパーセルごとに異なる完熟のタイミングを見極める為、ブドウの樹一本一本、さらにはブドウの一房一房の成熟の状態を把握できるほど注意深く観察しています。そんなこだわりようから周囲からは完全主義者と言われています。リスクを恐れずどんなに悪い年でも完熟を待っての収穫は、周りの生産者より数週間遅いことも珍しくありません。こだわりの完熟ブドウから生み出されるワインは、彼のコンセプト通り、果実味たっぷりで、力強く凝縮感がありながらも早くから飲める柔らかさを持った素晴らしいものです。
■ワイン造りの哲学・信念
力強く凝縮感があって、しかも早くから楽しめるワインを造りたい。グラン・クリュの畑で出来たワインは美味しくて当たり前。格付けされていない普通の畑でグラン・ヴァンを造りたい。
■畑でのこだわり
良いブドウが出来てはじめて良いワインが出来る。良いブドウとは「しっかり完熟している」ことだと考える。とにかくブドウが完熟するための努力は厭わない。
■完熟について
完熟のタイミングは畑毎、さらにはその中の区画毎で異なってくる。彼の言う完熟している状態とは、ブドウの粒に弾力性があり、実際に食べた時に酸がしっかりとのっている状態のこと。(完熟しすぎると皮と実の間にスペースが出来で弾力が無くなる)
■収穫について
完熟していないブドウは醸造しない。収穫するブドウは完熟しているブドウで、それだけを醸造する。大抵周りの生産者よりも数週間収穫は遅くに始まる。それはとてもリスクの高いことだが、どんなに悪い年でもブドウが完熟するのをまってから収穫するのである。