カントナックとマルゴーの台地に畑を置き、立地的に最高の条件を備えているシャトー・マルキ・ド・テルム。マルキはシャトーの創設者である伯爵の爵位であるマルキに由来し、テルムはローマの浴場を意味します。カベルネ・ソーヴィニヨンの比率を上げることで品質向上に成功し、近年評判が着実に上昇している注目のシャトー。さらに資金投入を行い、セラーを近代化、セカンドワインを導入することによって、その品質は向上し続けています。
畑面積は35haで、マルゴー村、アルサック村、スーサン村、カントナック村にまたがっています。年間生産量は約16万本と比較的少ないため、以前までフランス国内の個人顧客向けに販売されるのみで、海外へはほとんど出回っていませんでした。そのため、マルゴー村の格付けシャトーであるにも関わらず、海外での知名度は決して高くありません。また、シャトーの建物も質素なものであり、そういった意味からも注目を集める機会が少なかったのも事実です。しかし、その味わいは4級の格付けに相応しいワインに仕上がっています。熟成が遅めで非常に長命なことでも知られており、マルゴーの中でも異質なシャトーだと言えるかもしれません。