見たこともないような伝統的な手法を使うミネルヴォワの生産者
ミネルヴォワの中心バダン村の生産者です。現在は、生産量の1/3はネゴシアンなどに売り、残りを瓶詰めしています。ドメーヌ名はシャトー・ミロスです。土壌は石灰質で、その下40cmが石の土壌です。グルナッシュはこの土地に向かないとコンサルタントに言われましたが、無視して植えたところ、最高のグルナッシュが出来ました。畑の作業は2人で行い、グリーンハーベストをしています。
現在ではあまり使用されない古典的な手法や、レイモンならではの独特の醸造法を用いてワイン造りをしています。葡萄のプレス機は1936年産の古典的なものを使用しています。メリットは葡萄を一度捕らえると放さないところで、シャトー・マルゴー、有名なシャンパーニュの生産者など、著名な生産者はこのプレス機に戻っています。また、レイモン自身がとても好きな味のワインに仕上がるという、マセラシオン・カルボニックを100%使用しています。マセラシオン・カルボニックは、ボージョレ地区で軽くフルーティなワイン造りに使われることで知られていますが、レイモンはフルボディで生き生きとしたワインを造ることに成功しています。葡萄の樹の枝を組み合わせて、フリーランジュース用のフィルターに使っています。軽い清澄の後に、粗いフィルターを通します。無濾過よりも、この方がワインに香りが残るからです。古い時代のものが、いま逆に新しく新鮮で、オリジナリティに溢れているように感じられます。もちろん、ビックリする程おいしいことは、言うまでもありません。