高品質のフィトゥを産する、険しい山塊に囲まれた山側地区の生産者。
フィトウは1984年にAOCに認定されたラングドック・ルーション地方のワインです。フィトウとして認められている地域は2600haと広く、地中海沿いの沿岸地区と山岳地区の2つの区域に分かれています。沿岸地区は粘土石灰質土壌で比較的軽いワインが造られているのに対し、山岳地区の土壌はシスト(片岩)で、より乾燥した気候のためワインに力強さが加わります。ドメーヌ・ロランは山岳地区を代表する生産者です。彼らの所有する畑は標高200mの丘の上にあり、南~南西を向いて日当たりが良く、表層にはシストが、下層には花崗岩の層が見られる優れたテロワールがあります。気候は地中海性気候で、暖かく乾燥しており、年間の日照日数は平均300日と晴れた日が続きます。山から時折吹く風が夏にはその熱を和らげ、収穫時にはこの乾燥した風が湿気を飛ばし病害を防いでくれます。彼らの所有するフィトウの区画はまるで太陽と風に愛されているいようなそんな場所にあります。ドメーヌ・ド・ロランは1850
年から続いており、現在は6代目のルイ・コロメール(1955年生)が当主を務めています。所有する22haの畑は除草剤や人工肥料は一切使用せず、動物の糞や葡萄の皮や種、枝などを肥料として使い手入れをしています。2009年ヴィンテージからは正式にエコセールの認証を受ける見込みです。葡萄の平均樹齢は40年と長く、最も若いものでも15年、古いものは100年に至るといいます。剪定は厳しく行い、1本の葡萄木に8房に制限し、収穫は手摘みで厳しく選別します。収穫量は30~33hl/haまで落とされます。こうして造られる彼らのワインはフィトウを代表する品質に仕上がります。ヒュー・ジョンソン著ポケット・ワイン・ブック第8版では、フィトウの項目に申し分のない葡萄園として掲載されています。
【ABマーク】
「ABマーク」は、「Agriculture Biologique」の頭文字から命名された認証機関です。フランス政府の厳しい基準をクリアした、栽培
から商品加工にいたる全ての工程で、添加物などを一切含まない食品製品であることが認証の条件となっています。但しワインの場合、その原
料となったぶどうについてのみABの基準をクリアしていることが保証され、唯一使用が許されている二酸化硫黄(亜硫酸)の 使用上限についても、
EUの定める基準上限の3分の2までと非常に厳しくなっています。AB認証を取得したワインのエチケットには「ABマーク」の記載が許可されています。
【EUが制定したオーガニックファーミングのロゴマーク】
EUの各国で認証されたオーガニック食品に共通のロゴです。