シャトー・ランシュ・ムーサは、シャトー・バタイエを所有するボルドーの名家、カステジャ家が1969年から所有するシャトー。遡ること18世紀、元々はランシュ伯爵が所有していた格付け5級のシャトー・ランシュ・バージュと同一の畑でしたが、2つに分割。その片方がこちらのシャトー・ランシュ・ムーサです。
1855年のメドック格付け時には第5級に格付けされるも、その後品質は伸び悩み長い低迷期に陥りました。しかし1919年、格付け4級デュアール・ミロンを当時所有していたカステジャ家がオーナーとなってからは、醸造所の改築や畑の改良などを積極的に行い近代的なシャトーへと生まれ変わり、ワインの品質は劇的に向上。往年の名声を取り戻すことに成功しました。
カステジャ家が取り入れた栽培方法は様々。テロワールの多様性を十分に表現したワインを造るために畑は入念に手入れを行いました。枝打ちや除葉、房の間引き、さらには機械収穫から手摘みへと変更、さらに手作業にて選果をし、厳選された最良のブドウのみを使用しています。シャトー・ランシュ・ムーサの敷地は200haと広大でポイヤック最大級で、内陸部、ポイヤックの西部に位置し、土壌は砂質の多い礫質が特徴。その中から最良のテロワールだけを選び、ブドウ畑にしています。植樹されているのは、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロ。テロワールの多様性が十分に表現されるよう、手間と時間をじっくりとかけて丁寧に栽培されています。また2001年以降、彼らのセカンドワインをリリース。シャトーを見下ろす区画にちなんで、「Les Hauts de Lynch Moussas」と名付けました。