ラ・パターシュはポムロールのシャトーです。"LA PATACHE”はリューディーの名前で、フランス語で昔の乗合馬車の意味もあります。現在の樽熟庫である石造りの建物は、実際に昔は郵便局で、付属していた馬小屋には醸造所が作られました。現オーナーはピーター・クォックで、2012年にこのシャトーの畑を購入した後、醸造所を改築、畑の管理とワイン醸造にch.ル・ゲやch.ラ・ヴィオレットを手掛けた敏腕ワインメーカー、ジェローム・アギーレを、コンサルタントにはミッシェル・ロランを迎え、ワインの品質向上に取り組みました。所有する畑は3.18ha。シャトーのまわりの9つの小さな区画から、それぞれ異なるテロワールを生かしたワインを造っています。
シャトーの畑ではメルロ85%、カベルネ・フラン15%が植えられています。さまざまに異なる複雑な土壌があり、区画ごとに細かく管理を行います。剪定にシングルギュイヨ仕立を取り入れ、ブドウ樹の畝の間に草を生やし、土を鋤き、芽かき、除葉、必要に応じてグリーンハーベストを行うなど、環境に配慮した伝統的な栽培方法をとっています。畑の管理は現在リュット・レゾネで行っています。現在は、息子のホウワードがパターシュの管理を行っています。
醸造家「ジェローム・アギーレ」
ワインの醸造を手掛けるジェローム・アギーレは、現在最も注目されている若手醸造家のひとりです。シャトー・ド・レイニャックで醸造を担当した後、ル・ゲとヴィオレットで醸造を指揮、パーカーポイント96点、さらには100点も獲得するワインを造りだし、ボルドーを代表する醸造家の仲間入りを果たしました。ワイン造りは、ブドウの粒をそのままバリックに入れて発酵させるマイクロ・ヴィニフィケーションの手法で丁寧に行われます。これは、とても手間のかかる、グランヴァンと同様の贅沢な醸造方法で、濃密でバランスのよい素晴らしいワインができます。シャトーでは、このジェロームの起用により、最高品質のワイン造りを目指しています。