1855年のメドック格付けで5級に認定されたシャトー・ドーザックは16世紀から約500年にもわたる古い歴史を持つシャトーです。シャトー・ドーザックの名は、特にワイン生産者によく知られています。
シャトー・ドーザックの代名詞とも言えるのが、1885年に発明されたボルドー液です。当時フランスでは、白カビ被害の拡大によってワイン産業が大きな打撃を受けていました。そんなとき、シャトー・ドーザックの支配人としてワイン造りを担っていたエルネスト・ダヴィドとミヤルデ教授が、この白カビに有効な消毒液であるボルドー液を開発しました。硫酸銅・生石灰・水を組み合わせ作られたこのボルドー液は、フランス中のワインを救いました。
このボルドー液の開発で、安定的にワイン生産を行うことができるようになり現代でもその有効性は変わらず、多くの生産者が使用し続けています。
その後しばらく表舞台で目立つことはなく、一時品質が落ちた時期もありましたが、1978年以降数々の改革を行い、徐々に改善が見られ始めました。
特に1992年以降シャトーの経営を務めた、ボルドーの名家、リュルトン家の功績により評論家が「魔法のように」と形容するほど、劇的な復活を遂げました。