ラフィット公の広大な所有地の一部であったクレール・ミロンの畑は、1789年、フランス革命により国有財産として売りに出されました。それをクレール(Clerc)家が購入し、土地の名前『ミロン(Milon)』が加えられ、『クレール・ミロン』という名前がつけられました。そしてその後、1855年のメドック格付けにて5級に認めれます。当時畑は30haでした(現在は41ha)。その後、売上と維持費や相続の問題で畑の面積は15haと当初の半分程になりましたが、ワインのポテンシャルに魅せられたバロン・フィリップ・ド・ロートシルト男爵が1970年、シャトーを購入します。彼はシャトーを立て直すために、細部にわたる改革を行い、分散されてしまっていた畑をいくつもの所有者から根気強く買い戻していきました。
1970年から1982年までは18世紀の作品である銀メッキの『婚姻の杯』をデザインしたラベルが使用されました。この作品はムートンのミュージアムにある作品です。1983年からラベルは変更されます。17世紀のドイツの金細工職人による宝石で造られた踊るカップルの作品をデザインしたラベルであり、作品はムートンのミュージアムに飾られています(大きさ11.5㎝)。2007年に重力を利用した発酵槽の設備が完成したのに続き、2011年、3600平方メートルの、セラー、レセプション、試飲室等を兼ね備えた建物が完成しました。聖堂の形をした長方形の建物は畑を眺める事が出来る大きなテラスに囲まれた美しいフォルムです。