14代に渡りワイン造りを行う、歴史あるドメーヌ
1640年から今日までカスロ家が14世代に渡りワイン造りを行ってきました。ドメーヌの地下にあるテュフォー(白亜質の石灰岩)の素晴らしいカーヴは、11世紀から13世紀に砕石場だったところで、ここから城や教会の建築のための石を切り出していました。2014年にピエール・カスロが亡くなった後、彼の子供達、エマニュエル、ステファニー、ローリーの3人が後を引き継ぎ、この伝統あるドメーヌを守っています。「私たちは歴史、伝統、ワインのスタイルを継承し、自然を最大限に尊重しながら、日々の喜びをワインに込め、人々に伝えたいと思っています。」
オーガニック、及びビオディナミの原則に従った葡萄栽培
父のピエールの時代からすでに除草剤は使用していませんでしたが、エマニュエルとステファニーがワイン造りに参加するようになった2000年代前半から本格的に有機栽培へ転換し、2008年にオーガニック栽培の認証、2012年にビオディナミの認証「デメター」を取得しています。また醸造に関しては出来る限り人的介入をせず、天然酵母による醗酵を行います。葡萄そのものが持つフレッシュな果実味を保つよう、柔らかい抽出を行います。現在33haの畑でカベルネ・フランを栽培しています。葡萄の平均樹齢は30年から75年です。「私たちは先祖達が残してくれた知識をもとに葡萄を育てています。葡萄の生育には出来るだけ手を加えることはせず、ただ葡萄の木を見守り、病気にならないように畑の土の生物多様性を活性化させ、土壌のバランスを保つようにしています。オーガニックおよびビオディナミの原則に従い、葡萄の木と土壌の相互作用を促したいと考えています。」畑には自然由来の調合剤(プレパラシオン)を使い、環境を健全に保っています。様々な微生物や生き物が存在する土壌は植物(葡萄の木)を強くし、病気への耐性を強めてくれると考えています。
先祖代々受け継がれてきた畑の個性を表現したワイン造り
それぞれの畑、区画はそれぞれ独自の特徴、個性があり、そのわずかな違いを表現し、フルーティでフレッシュなタイプから複雑で骨格のしっかりとした長期熟成型のワインまで様々な表情を持つカベルネ・フランを造っています。それを可能にしているのは、彼らの先祖が残してくれた個々の畑に対する詳細な知識と情報に他なりません。「私たちはお金には代えられない財産である素晴らしい畑を受け継ぐのと同時に、今日までに先代や先々代、さらにその前の人々が残してくれた畑、個々の区画に関する知識も受け継いでいます。」