テロワールからの個性を最大限に表現した、いぶし銀のように光るワイン
ドメーヌ・ジンクは1964年にポール・ジンクによって設立されたエギスアイムにあるワイナリーです。息子のフィリップが1997年にドメーヌに参画し8haだった畑を14haまで拡大させました。現在は、フィリップを中心に6人のスタッフによって運営されています。生産はAOCワインのみで、テロワールからの個性が存分に発揮されたワインを生み出しています。 手摘みで収穫を行い、区画毎に醸造し、フルーティさやアロマを大切にするため熟成にはフードル(2,000~5,000L樽)を使用するなど、細部にまでこだわったワイン造りを行っています。
ワインに大きな影響を与える「畑」「土壌」
ドメーヌ・ジンクでは、14haを40の小さい区画で管理しています。この区画毎の違いがワインの違いに繋がり、 フィリップは「画家が色を作るようなものである」と表現します。ワインの味わいには土壌が大きな影響を与えるという考えのもと、ビオロジック農法で栽培しています。テロワールを表現するためには、いかに樹の根を土中深くまで張らせるかが重要で、土の中の微生物の活性化にも気を配っています。2011年より40区画全てをビオロジックに統一。数年を経て、土壌の生物多様性が増し、樹の生命力が高まりました。その結果を強化するために、2018年からもう一歩進んで、ドメーヌ全体でビオディナミを取り入れ、2021年にエコセール認証とデメテール認証も取得する予定です。
土壌の違いを表現する3つのレンジ
ドメーヌでは、基本的に味わいの違いはテロワールによって生み出されています。「ポートレート」は、丘の麓にあるシルト粘土質土壌の畑から。フレッシュですぐ飲んで美味しい、品種の個性を楽しむワインです。「テロワール」は、もう少し標高の高い粘土石灰質土壌の畑から。品種よりもテロワールを感じるワインで、複雑さがあり、ミネラル豊かで余韻の長いプルミエクリュのようなイメージです。「グランクリュ」は、エギスアイム村とその周辺の特級畑から。テロワールの個性が品種の個性を完全に超える味わいで、その深みと洗練さを時間をかけてゆっくり味わうワインです。フィリップのワインは、2014年にDWWAの最高賞(インターナショナル・トロフィー)を受賞し、生産者としても、厳しい評価で知られるレ・メイユール・ヴァン・ド・フランス誌で2015年から星付きドメーヌに昇格するなど、国内外の評価は高まり続けています。