伝統的なブドウ品種へのこだわりと自然なワイン造り
フィロキセラ・イ・シアは3人の友人によって2011年に設立されたガレージワイナリー。DOバレンシア南西部のサブゾーン、クラリアーノに属するフォンタナルス・デルス・アルフォリンス村にあります。ホセはこの村近くのワイナリーで20年ほどワインメーカーを務め、ソムリエでもあるピラールは、このエリアのワイナリーでセールスマネジャーとして15年間ほど勤務。ホアンもこの地でブドウ栽培を17年間ほど担ってきた農業エンジニアです。豊かな経験を重ねたその3人が、このエリアのポテンシャルを信じて、自分らのプロジェクトを立ち上げました。流行に左右されず、あくまで自分たちの好きなワインを造ることを貫いています。
フィロキセラ・イ・シアはフォンタナルス・デルス・アルフォリンス村にて、6区画、合計17.5haを所有。標高は700m前後で、石、砂やシルトを含む非常に軽快な土壌質になります。樹齢が高く、昔ながらの品種が植えられている畑を大事にする一方、その畑に含まれていた消滅寸前の品種をマサルセレクションによって新しい区画にて増殖しています。現在は、5種の白ブドウと8種の黒ブドウを栽培。ベルディル、ウジェット・デ・ペルディウ(ウイユ・ドゥ・ペルドリ)、アルコやバレンシなどの珍しい品種もあれば、マカベオ、モナストレル、アイレンやガルナッチャなど、より一般的な品種も含まれています。オーガニック認証は取得していませんが、自然との調和を最大限に尊重しています。こうして非常に低収量(15~30hl/ha)の高品質なブドウが得られます。
天然酵母、マロラクティック発酵、シュールリー熟成、無清澄・無濾過、ワイン造りも極力自然に任せ、できる限り手を加えません。熟成はフレンチオーク、アカシアやステンレスタンクを上手にブレンドし、樽香の目立たない、ブドウ本来の個性が輝くワインに仕上げます。ナチュラル感を最大限に保ち、キレイな酸のエレガントなスタイルです。結果的に、エリアのアイデンティティが伝わる、ブドウ本来の個性をストレートに表現したワインとなります。ユニークな品種・ブレンドや昔ながらの醸造方法が特徴の個性派ワイナリーです。毎年、フィロキセラ・イ・シアは3人で丁寧にその唯一無二のガレージワインを少量ずつ造っています。