ピゾーニ・ヴィンヤードの凄さ カリフォルニアの名だたるワイナリーにとてつもなく出来のいいピノ・ノワールを卸すピゾーニ・ヴィンヤード。広大な農園を営んでいたエディーとジェーン・ピゾーニは、1979年セロリ栽培で得た利益を元にサンタ・ルチア・ハイランズを手に入れます。後にピゾーニヴィンヤードとなるこの土地はもともと水源すらないところでしたが、1982年息子のゲイリー・ピゾーニが密かにブルゴーニュのラ・ターシュから持ち帰った葡萄の枝を植樹します。その際、普通なら葡萄の大敵フィロキセラに抗体をもつ台木を使うのですが、彼はあえてフィロキセラ対策のない台木を使います。ラ・ターシュオリジナルでいこうという気構えなのでしょうか? さらにゲイリーの息子のマーク・ピゾーニは、毎朝葡萄畑を歩き廻り葉の向き、蔓の生育、葡萄の生長の少しの変化も見逃さず、「ワインは葡萄園で造られる」というファミリー哲学を実践しています。15人の同じスタッフが10年以上にもわたり手摘み作業をすることも、徹底したプロフェッショナリズムを感じさせます。葡萄を夜に収穫するナイトピッキングを実践し、人の手で葡萄を潰し低温で色と風味の抽出をします。そして最高品質のフレンチオークでの熟成となります。自社生産のため少量の葡萄を残すのみで、あとは素晴らしいワイナリーに送り、芸術的ワインに作り上げられます。 今やピノ・ノワール畑では世界トップ10、アメリカの”5グラン・クリュ”の一つと見なされています。