坂田千枝さん(ベルンハルト・コッホ醸造責任者)来日セミナー

坂田千枝さん(ベルンハルト・コッホ醸造責任者)来日セミナー
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坂田千枝さん

坂田千枝さんのプロフィール

兵庫県立農業高等学校園芸課果樹部門(ブドウ栽培専攻)に進学し、17歳の時に研修で訪れたドイツで、一面に広がるブドウ畑に感銘を受けました。2003年、高校を卒業後ドイツに渡り、現地の職業訓練校で学びながら
ドイツ国内の様々なワイナリーで修業を積みました。そしてオーストリア、南アフリカのワイナリーでも研修を重ね、その後ドイツ国内の国立ヴァインスペルグ栽培醸造学校に進み、2012年に栽培醸造技術師の資格を取得、2013年10月より現在までベルンハルト・コッホの醸造責任者として活躍中です。


2023年6月6日、坂田千枝さん来日記念セミナー 名古屋クレストンホテルにて

坂田千枝さん
綺麗にセッティングされた会場です。
この席が全て予約で埋まっていました。人気のセミナーです。
東京、名古屋、大阪の順で開催されています。

坂田千枝さん
テーブルのセッティングはこんな感じです。

坂田千枝さん
8アイテムのテイスティング予定となります。
こちらがテイスティングリスト

坂田千枝さん
開演前にスタッフと打ち合わせをする坂田千枝さん


いよいよセミナーがスタートです。
最初にスクリーンの画像を使いワイナリの説明がありました


ドイツのワイン産地のマップ
ベルンハルト・コッホはドイツワイン産地でも南部の比較的温暖なプファルツ地域にあります。


スクリーンの横で説明する坂田千枝さん


プファルツの中でも南に位置するハインフェルド村(人口約1000人)という
村にコッホのワイナリーがあります。
コッホエチケットの丸に十字の図柄はファインフェルト村のマークを使用しているとのことです。


こちらがコッホの醸造所です。
増築を重ね徐々に大きくなっているとのこと。


コッホのファミリーです。
左がお父さんのベルンハルトで、2013年に彼女がコッホに来たときは2人で
醸造を担当していたとのことですが、若い兄弟が大学を卒業してコッホを継ぐことが決まり
今では彼女と2人の兄弟が中心にワイナリーを運営しています。
現在も醸造責任者は彼女が務めています。


コッホファミリー、特お父さんのベルンハルトに対しての尊敬の念が感じられました。
熱を持って語る姿勢に非常に好感がもてました。


コッホに来る前は、自分が造りたいと思うワインを好きなように造りたいと願っていましたが、
ベルンハルトと出会い、いろんなお客様に喜んで頂ける様々なスタイルのワインを
お客様のために造る姿勢に大きな影響を受けていると熱く語っていました。
お客様にとって美味しいワインを造るのが現在の方向性だと・・・・・


ワインの畑は平坦な場所に広がっているのがプファルツ地域の特徴です。

 


土壌はレス(黄土)を中心にローム土壌、シルト、粘土土壌が混合した、
水捌けがよくブドウ栽培には適しています。

 


温度管理が出来る近代的なステンレスの発酵槽と800~900ものオーク樽を使用して醸造しています。

 

コッホについての説明のあとテイスティングしながら彼女のコメントをお聞きしました。
瓶内二次発酵、瓶熟は18ヶ月、兎に角スパークリングワインは熟成保管するのに
広いスペースが必要との事。
キリッとした酸が魅力 リースリングらしいリンゴとオイリー感


時代おくれだと言われていたシルヴァーナを復活させました。
柔らかな酸が和食に良く合うとのコメント
彼女は和食を食べる時は必ずこのワインを開けるそうです。


綺麗な強い酸、キリッとした酸が特徴
ここまで辛口のリースリングはリースリング好きにはたまらないでしょうとのこと。


ピノ・ノワールは綺麗な酸を出すのが難しい
特に最近は温暖化の影響でドイツも年々温度が上昇して、
真夏はまるで日本の夏を思いだすとのこと。
ピノ・ノワールのドイツ名はシュペートブルグンダーですが、
ドイツではいずれの表示も認められているとのことで表現による明確な違いはないとのこと。
コッホではステンレスタンクを使用して熟成した場合はシュペートブルグンダーと名乗るように
しているそうです。
このフォンレスは優しく綺麗な ややグリーンテイストのある心地よい1本。

 

このヴィンテージは完全除梗
マロラクティック発酵はは勝手に始まって勝手に終わる
樽に移してからは何もしないのが流儀とのこと
2020年は非常に暑い年ヴィンテージでした


キルヒェンシュトゥックとは教会の所有する畑と言う意味。
良い畑は協会所有の場合が多い。
貴腐菌の繁殖はやっかいですが、この畑は貴腐菌に強い。
19年は気温が低いけれどブドウの成熟はよかった。
19年は仕上がりが良いと判断しています。
力強い骨太のイメージ(ブルゴーニュのコート・ド・ニュイに近いイメージ)

雨が少ない暑いヴィンテージ8月後半に収穫しました。
温暖化の影響で収穫が早まっている傾向
良い年に良いワインを造るのは当たり前で、
難しい年に上手く造るのが重要とのこと。


坂田千枝さんと一緒に記念写真を撮って頂きました。
2人で会話する機会がありコルドン仕立てと醸造について質問しました。
フォンレス以外のピノ・ノワールはコルドン仕立てとのこと、ギヨ仕立てより
コルドンの方が収量が落ちるとのことでした。
また完全除梗する場合と全房発酵の割合も、その状況に応じて対応いているとのこと、
勘ではなく20年の経験から蓄積されたものから判断しているとのことでした。
単身でドイツに渡り活躍している坂田千枝さんを応援するためにも、
彼女の手掛けたワインの販売により力を入れていきたいと思います。

 

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