南アフリカワインの魅力
毎年順位は異なりますが、近年では必ず南アフリカワインはトップ10入りしています。
2015年にチリワインの輸入量がからフランス・イタリアを抜いて第一位となり、現在も日本で広く流通しています。しかしチリと南アフリカではワインの生産量はほぼ一緒です。そして、ヨーロッパでは以前から南アフリカワインは大変人気があります。
今後、日本でも必ず南アフリカワインがよりポピュラーになるに違いありません。
1659年2月2日南アフリカ最初のワインが造られました。
「南アフリカワイン産業の父」ヤン・ファン・リーベックの日誌にこう綴られています。
「今日、神を賛美します。ケープの葡萄から最初のワインが無事造られました。」
南アフリカワインはアメリカやオーストラリアより100年以上も古い歴史を持っているのです。
南アフリカ大陸でも最も南端の南アフリカでも、最も南に位置する西ケープ州はブドウ栽培に非常に適した気候です。
南半球ですので季節は北半球とは反対ですがが、地中海性気候で夏は温暖で乾燥し、冬は冷涼で、霜害はほとんどありません。
特に大西洋側は南極から北上するベンゲラ海流により、ぶどう栽培に適した冷涼な気候となります。2月~3月にかけての葡萄の収穫期には南東から強い風が吹き、カビによる病害や害虫の心配をすることがありません。この乾燥した風は「ケープドクター」と呼ばれています。
【減農薬栽培が広く普及】
防カビ剤や防虫剤、除草剤などの農薬をほとんど使わない、減農薬栽培が一般的で、畑にはアヒルやホロホロ鳥を放し飼いにしていたり、鶏糞などの有機肥料を使用しています。また、除草剤の代わりにブドウ畑に麦を植えて雑草が生えないようにしているなど、環境に配慮した葡萄栽培を行っています。
【酸化防止剤は世界一厳しい基準】
1998年に制定されたIPW(Integrated Production of Wine)は世界で最も厳しいワイン生産のガイドラインです。自然環境の保護とワイン生産者が長く永続的にブドウ栽培が出来ること、この2つを両立させることが目的です。
このガイドラインにより酸化防止剤の使用は世界一厳しい0.25g/kg以下に抑えられています。
(■ドイツ0.3g/kg以下 ■フランス0.35~0.4g/kg以下 ■日本0.35g/kg未満)
そして驚くことは、2004年世界自然遺産に登録された『ケープ植物区保護地域群』の中に葡萄畑が広がっているという事実です。このことは、日本では到底信じられないことだと思います。南アフリカでは、まさに自然環境の保護とワイン産業の発展の両方をワイン業界が一丸となって目指しているのです。
1990年代前半にアパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃されてから南アフリカワインは急激に発展を遂げています。ワインの生産量は劇的に増え、輸出量はアパルトヘイト時代に比べ20倍になりました。
しかし黒人の貧困問題は未だ続いています。2002年にはWIETAが設立され、葡萄畑とワイナリーでの労働環境の改善、児童労働の禁止などの基準が設けられました。そして、2012年には自然環境の保護に加え、就労者の労働環境に配慮したワイナリーが生産するワインには新しいシールを貼ることが決まりました。
このように南アフリカでは、自然環境の保護とワイン産業の発展の両立、さらにワイナリー就労者の労働環境の改善に取り組んでいます。
まさに応援したくなる南アフリカワインです。
■西ケープ■
[コースタル地域]
(1)スワートランド (2)ステレンボッシュ (3)タイガーバーグ (4)ケープ・ポイント (5)コンスタンシア (6)タルバック (7)パール (8)フランシュック・ヴァレー (9)ダーリン (10)ウェリントン (11)クレイン・ カルー (12)カリッツドープ (13)ランゲバーグ=ガルシア
[ケープ・サウス・コースト地域]
(14)オーヴァーバーグ (15)ウォーカー・ベイ (16)スウェレンダム (17)ケープ・アギュラス (18)プリテンバーグ・ベイ (17)ケープ・アギュラス (18)プリテンバーグ・ベイ (19)エルギン
[オリファンツ・リヴァー地域]
(20)ルツヴィル・ヴァレー (21)シトラスダル・ヴァレー (22)シトラスダル・マウンテン
[ブレード・リヴァー・ヴァレー地域]
(23)ブレードクルーフ (24)ウスター (25)ロバートソン
[地域に含まれない独立した小地区]
(26)セレス (27)シダーバーグ (28)プリンス・アルバート・ヴァレー (29)スワートバーグ (30)ランバーツ・ベイ
■北ケープ■
(31)セントラル・オレンジ・リヴァー
南アフリカでは94品種のぶどうの使用が認められいます。
- 1.シュナン・ブラン
- 2.コロンバール(主にブランデー用として)
- 3.ソーヴィニョン・ブラン
- 4.シャルドネ
- 5.マスカット・アレキサンドリア
- 6.セミヨン
- 7.ヴィオニエ
- 8.ミュスカ・ド・フロトニャン
- 1.カベルネ・ソーヴィニョン
- 2.シラーズ
- 3.ピノタージュ
- 4.メルロ
- 5.ルビー・かベルネ
- 6.サンソー
- 7.ピノ・ノワール
- 8.カベルネ・フラン