ケープタウンより北に位置する内陸部のスワートランドは
痩せた大地の続く、乾燥し高温で寒暖差の激しい地域です。
スワートランドでは、この地域らしい高品質なワインを造る目的で、
Swartland Independent Producers(SIP)が組織され、特に若手の醸造家達が、
ビオディナミを含めた自然農法で優れたワインを生産し、
今最も注目を集めているワイン産地となっています。
彼らもそもメンバーの一員です。
温度が高く乾燥した空気は、ステレンボッシュとは違い、
ジリジリと焼けつくような灼熱の太陽を感じます。
樹齢の高いブッシュヴァインの畑が地を這うように続いています。
ブドウは契約農からの購入ですが、その栽培については細かく指示をだして、
彼らの思い描くブドウを生産しています。
ブドウ畑を案内してくれたのは、ダーバンビル出身のアンドレ氏です。
彼は自らも自分自身のブランドを持ちますが、
ディヴィット氏の手伝いもしているということです。
今年2018年は西ケープ州全土に広がる水不足の影響で
生産量は例年の半分に激減するとのことです。
セラーも主たる契約農家から借りて行います。
現在ある施設で最良のワインを造るよう
あまり手を加えず自然なスタイルの醸造を行っています。
ボトリングをしたワインの管理はケープタウン近郊の
ボトルセラーを借りているとのことで、そこから直接出荷されます。
畑、セラーの見学の後はワインのテイスティングです。
オーナー兼醸造家のデイビッド氏は、ステレンボシュ大学でワイン醸造学を学んだ後、
ウォーターフォード、ラステンバーグ、サロンズバーグなどの南アフリカを代表する
生産者や海外のワイナリーで修業を積みました。
その際、特に南アフリカの南仏系品種に可能性を感じ、生まれ故郷のスワートランドに戻り、
2010年に自身のワイン「デイビッド」をスタートさせました。
奥さんのナディアさんは、同じくステレンボシュ大学でブドウ栽培学を学び、栽培担当をしています。
残念ながら今回は、ナディアさん会うことができませんでした。
15アイテムのワインのテイスティングを行いました。
まだボトリングされていない2017年ヴィンテージのワインも試飲出来ました。
いずれも綺麗でナチュラルなワインです。
この乾燥した暑い大地から、これ程新鮮なワイン出来上がるとは驚きです!
デイビット氏は、プロレスラーのように巨体で、
174cmある麦ちゃんでもまるで子供のように見えます。
しかし、近郊のマルムスベリーという人口5,000人程の小さな町で育ったという彼は
優しく素朴な性格に思われました。
畑を案内してくれたアンドレ氏の独自ブランドの成功も応援したいと思います。
デイビット&ナディアでの昼食
テイスティングのあとはその場で心のこもったランチを頂きました。
サラダとキッシュの素朴なランチを美味しく頂きました。
普段の彼らの食生活をチラリと見た感じです。
太陽の下は暑くジリジリ焼け付くようですが、
日陰は乾燥しているため意外に涼しく過ごせます。
スワートランドの雰囲気の中で美味しくランチを頂きました。
灼熱の太陽のスワートランドから南下し、ステレンボッシュでも
最も海に近く、エルギン地区に隣接するウォーター・クルーフへ向かいます。